ミッシェルガンエレファントと会えない友達のこと 1

2021年2月1日

この記事は・・・

✅ ミッシェルガンエレファントが好きだった私の回想記です。
✅ 今好きなバンドがある人に読んでいただきたい内容です。
✅ 個人ブログゆえ、主観の連続です。
✅ 長くなりそうなのでシリーズ物にします。

ミッシェルとの出会い

ミッシェルデビューアルバム
「cult grass stars」

私がミッシェルガンエレファントと出会ったのは19歳の時でした。当時、雑貨店で働くだけの毎日を過ごしていた私。何かに夢中になることもなく、自ら面白いことを探すこともなく、ただ息をしているだけの毎日だったと思い出します。

そんな時、音楽好きだったAちゃんから「ミッシェルガンエレファントのライブチケットがあるから一緒に行かない?」と誘われて出かけることになりました。Aちゃんとはよくカラオケをしたり、古着屋を巡ったりしていたため、断ることもなく何となくライブに一緒に行くことになりました。

仙台ワッセのライブに行く

1998年の12月にAちゃんとミッシェルガンエレファントのライブに行きました。仙台ワッセはフットサルなどスポーツで使われるホールです。当時私はcharaが好きでコンサートに行ったりしていましたが、オールスタンディングのライブに行くのはこの時が始めてでした。ドキドキしながら会場に向かい並んで入りました。
会場がいやにごった返していて気になったのですが「これが正しいライブの待ち方なのか?」と疑問でありながらも若さゆえ、周りに習って行動しました。

当時のミッシェルは4thアルバム「ギヤ・ブルーズ」を発売した直後でした。今思うと3thアルバムまでも良い作品がたくさんあり、私は初期のミッシェルのライブにも行きたかったなと、時々遠い目になります。

仙台ワッセは機材トラブルにより中止

ミッシェルガンエレファントは、お揃いのモッズスーツに身を包んだ、黒づくめの集団でした。「荒野の1ドル銀貨」をかけながら登場するミッシェルは渋く、こんなに格好いいライブの始まりがあるんだ・・と圧倒されました。

初見のミッシェルはお客さんを煽っている感じがして、ファンと一緒に音楽を楽しむというよりはこれからひとつの戦いをするような雰囲気を感じました。ほどなく、ライブが始まりました。まだミッシェルの曲を聴き込むことなく参戦した私も、アベフトシギターリフの鮮やかさに即座に心奪われました。

ただみんながこぞってジャンプするので床がやけに揺れる・・・。これは大丈夫なことなのか?3曲目が終わったくらいでしょうか。照明が下がってきてしまいライブが中断しました。ミッシェルも裏手に一度戻り、ステージは無人。会場は不穏な空気に包まれてしまいます。20分くらい待っていたら係りの人が来てライブの中止を発表がされました。

ボーカルのチバユウスケがライブの中止について謝ってくれ、メンバー全員が頭を下げるという稀な事態を目撃しました。初めてライブに参戦していた私はぽかんとしてしまいました。この時のミッシェルの印象は中毒になりそうに格好いいグルーヴを連れてやってきた、ライブバンドでした。しかし、頭を下げる4人を見た時「礼儀正しく優しい方たちかも」という印象を持ちました。

あっけに取られるまま終わってしまった仙台ワッセのライブは、不完全燃焼なゆえに心に残りました。実は仙台ワッセで4000人規模のスタンディングのライブが行われるのは初めてだったとか。何がどこで失敗したのかわかりませんが、ミッシェルのライブが中止になるという衝撃的な出来事がでした。

振替公演は1999年1月

ギヤ・ブルーズ

その後、ミッシェルガンエレファントのことが気になりCDを買いに行き、聴くようになりました。その後、振替公演が1月に決まります。会場は仙台夢メッセでした。この日は私がミッシェルのライブを始めから終わりまで体感した日になりました。
中止になった公演と同じく荒野の1ドル銀貨で登場した4人の男たち。登場と共に悲鳴や怒号が起こり戦いの火蓋が落とされた、と覚悟を決めました。私はこの日、名盤「ギヤ・ブルーズ」ツアーの証人になりました。

ミッシェルガンエレファントはメンバー4人のバランスが絶妙でした。アベフトシの繰り出すギターリフとチバユウスケの存在感のある歌声、クハラカズユキの叩き出すお腹にくるリズムとウエノコウジの踊れるベースが産むグルーヴは唯一無二だとわかりました。

彼らのライブを体験するとしないでは人生変わる!と思うくらいとにかくミッシェルのライブでしか味わえない世界があると思いました。ミッシェルの曲は私の主観ですがメロディーラインに「泣き」があるのではと感じます。ミッシェルのバックグラウンドにはブルーズがあり、それがタイトなリズムに乗せて鳴らされた時心が揺さぶられます。

繰り返されるバギバキのギターリフに乗る、チバの声が織りなすメロディー。チバの声はがなっているのに繊細な感じもし、脳裏に響くいい声です。私はこの振替公演を経てミッシェルの虜になりました。

ミッシェルのライブの流儀?

ミッシェルのライブは2時間弱だったと記憶しています。この時間を4人の掻き鳴らす音楽にどっぷり浸かり、人波に揉まれてジャンプします。ダイブする人が観客の波に飛び込む「ダイブ」が度々起こるので、ダイブする人の足を避けながら跳ねます。結構、危険ですから気が抜けません。

ミッシェルのライブは私にとって過酷な運動でした。男性も女性もひとしくジャンプをし、具合の悪い人は自主退室する。観客はみんなでライブを中断しないようお互いを気遣っていると感じ、ミッシェルのファンの一員して自分もライブを創っていきたいという思いになりました。こうして、ミッシェルガンエレファントが好きになり、そのライブに行くことはかけがえのない瞬間と思うようになりました。

私はミッシェルに心酔していました。心の底からミッシェルの沼にハマってしまったと言えます。

ミッシェル に夢中・もこちゃんとの出会い

ミッシェルが参加したRESPECTABLE 1ROOSTERS
様々なバンドが参加していて名盤発売から20年
今は解散しているバンドばかり・・

こうして、ギヤ・ブルーズツアーですっかりミッシェルの全てにヤられてしまった私は、寝ても覚めてもミッシェルのことを考えるようになりました。買えそうなCDはすべて買い、アナログ版も買い、音楽雑誌も読み漁りました。恋煩いのようなドキドキとミッシェルに触れたいという焦燥感を持ち、ミッシェル周辺の情報を探しました。
「このバンドがミッシェルのバックグラウンドにある!」と言われている音楽は私も聴いてみて、中古CDを買い漁ることも始めました。THE JAMTHE CLASHDr.feelgoodルースターズなど、私が今まで馴染みのなかった音楽を聴く日々を過ごしました。

好きな音楽と新しく出会う日々は楽しかったですが、当時はそれほどネットも普及していない時代でした。情報集めはラジオか雑誌で、同じ趣味の人が欲しければ雑誌の文通募集コーナーを活用するのが関の山でした。

私の親しい友人にはミッシェルが好きな人はいませんでした。※ 前述のAちゃんは外国に働きに行き音信不通になりました「話しが合うミッシェルファンの友達が欲しい・・・」私がそう思うようになるには、時間はかかりませんでした。

そこで、高校の時ミッシェルが好きだったという友達に手紙を出しました。EメールやLINEでなく、手紙というのが旧式ですが、ミッシェル熱病に侵され切羽詰まっていた私に選ぶ手段はありませんでした。

友達からもこちゃんを紹介される

私が高校の頃の友人に手紙を書いたのはミッシェルの話しをしたいと願ったからでした。しかし、友人は手紙で「今もミッシェル大好きです」としながらも、もっとミッシェルに詳しいもこちゃんという女性を紹介してくれました。ありがとう!ほどなく、まだ見ぬもこちゃんと私の文通が始まりました。

文通の話題の全てがミッシェルのことで、週一回ほど角2形の封筒で手紙が届く日々か始まりました。その手紙には、もこちゃんがアベさんのファンであることが熱く綴られ、過去に参戦したライブのことが臨場感溢れる文章で書かれていました。また、ロッキンオンジャパンに載ったメンバーの20000字インタビューのコピーが同封されていたこともあり、封書は厚くなるばかりでした。

そのうち、手紙が着く間も惜しくなり、電話で話し、お互い携帯を持ちました。そして文字数が限られた携帯のショートメールを交わすようにもなりました。その様は付き合いたての恋人たちのようでした。注: 好きな相手はミッシェルの音でしたが。

ほどなくもこちゃんとミッシェルのライブや、ラジオの公開録音も一緒に出かけるようになりました。文通と電話での語り合いを経て、始めて出会ったもこちゃんは色白の日本的な美人でした。私はシュッとした風貌のクールでロックな彼女に憧れました。

青春時代の1足。ドクターマーチンについて書いています。

次回に続く

19歳で虚無の中にいたような私はミッシェルに出会い、同じ趣味の友達を持つことができました。そして気づいたら好きなバンドの情報集めに奔走する日々に入っていました。
今、当時を振り返ると、結婚をして家庭を持ってからはできないことをしていたと思います。自由時間のほとんどを自分が夢中になれることに使えていた、ありふれた言葉ですが青春の真っただ中にいた気がします。

ミッシェルは色々な時期にたんさんの音楽を発表しています。彼らはその後2003年に解散していますが、彼らの音楽を今も私は聴き続けています。眠くてエンジンがかからない朝、雨だけど強い気持ちで仕事をしたい昼休みなどに自分にスイッチを入れるのにおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございます。本編次回に続きます

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